久しぶりに山中和紙の柏木さんとこへ行ってきた。
飛騨市河合町で鎌倉時代から約800年続く伝統の手漉き和紙。
伺うたびにその歴史と受け継がれてきた想いがひしひしと伝わる。80歳を過ぎた今もなお、ただひたむきに和紙と向き合うその変わらぬスタンスは、いったいどこからくるのだろう。
「うすくてじょうぶい紙でなら、どこにも負けんでな」
原料は他所から仕入れず、この地域でとれるコウゾ、トロロアオイのみ。手漉きで紙をつくる工程はほぼ手作業で、気の遠くなるような手間が掛かっている。どう見てもその手間と製品単価が見合ってないのが、素人の私でもよくわかる。
でも、かたくなに守っている。
「いろんな人が見にござるけど、何にも隠さずに全部見てもらって、教えてやるんやさ。他でいっくら真似しようと思っても、ここでとれた原料と昔からのやり方で漉いたこの紙は、他ではつくれんでな、、、」
「コピーは所詮コピーであり、オリジナルには勝てない」と言われるが、まさにこういうことなのかと、身が引き締まる思いがした。
そういえば先日、とある取材があって、その中で「他者にはないノクターレの特徴は?」と尋ねられたけど、いつものように「飛騨の伝統工芸の技術を組み入れた新しいウッドプロダクト」と答えた。
その通りなんだけど、オリジナリティーのレベルで言ったら、山中和紙の柏木さんの方が断然シンプルで突き抜けてるよなー、と。
恥ずかしいけど、私のは小手先のオリジナリティーに過ぎない。
削ぎ落として、削ぎ落として、もっと尖んがらねば、、、
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